この記事では宝塚大劇場を紹介します。宝塚大劇場は「宝塚歌劇」の本拠地であるとともに、宝塚市の観光の中核というべき存在です。劇場ではありますが、観劇チケットなしで利用できる施設もたくさんありますよ。
宝塚歌劇の始まり
はじめに宝塚大劇場の歩みを、宝塚歌劇の歴史とともにふり返ってみましょう。
1910年に箕面有馬電気軌道によって現在の阪急電鉄宝塚線が開業しました。この鉄道は、当初は大阪と箕面および有馬温泉を結ぶことを計画していました。しかし資金不足で大阪平野と有馬温泉の間の山岳区間を建設できず、ここ宝塚が終点となりました。
当時の沿線は農村地帯で、そのままでは収益が見込めない状況に。しかし専務取締役に就任した小林一三は、鉄道沿線での郊外住宅地整備、梅田駅への百貨店の開設といった乗客誘致策を展開し、日本型の電鉄経営モデルを確立していきました。
すでに宝塚温泉があった宝塚でも、駅近くに浴場などを備えた「宝塚新温泉」というレジャー施設が建設され(後の宝塚ファミリーランド)、レジャースポットとしての整備が進んでいきました。新温泉には日本初の屋内プールが設けられましたが、十分に水を温められなかったことなどから不人気でした。そこで、このプールを舞台に改造して1914年に始まったのが宝塚少女歌劇、現在の宝塚歌劇のはじまりです。
大劇場の誕生
1914年に始まった宝塚少女歌劇は大人気となります。1921年には劇団を2部に分け、その年のうちに「花組」「月組」という組名が誕生しました。
そして公演開始から10年後の1924年に宝塚大劇場が完成します。大衆が楽しめる娯楽を提供するという観点で、約4000人が収容できる日本最大級の劇場となりました。大劇場完成に合せて、新たに設けられたのが「雪組」です。
旧大劇場は1935年の火災による内部の焼損、戦時中から戦後にかけての、日本海軍および米軍による接収といった災難に遭いながらも、約70年にわたって宝塚歌劇の公演を支えました。
現在の宝塚大劇場に建て替えられたのは1993年です。旧大劇場では3階まであった客席は2階までとされ、約2500席のゆとりのある設計となりました。
大劇場を探索
それでは花の道沿いのエントランスから大劇場の中に入ってみましょう。大劇場のエントランスを入ってすぐ目の前にある建物は、宝塚バウホールと飲食施設などが入った建物です。
2階にあるバウホールは、1978年に開場した約500席の小劇場で、舞台との距離が近く、どの席からも見やすい劇場です。主に若手が主演する公演などに使われます。
劇場内を歩く
建物に入ると目の前にカフェテリア「フルール」の入り口があります。フルールに入って階段を上がった所には喫茶・軽食のお店「ブライト」もあります。フルールの向かいの「レビューショップ」ではさまざまな宝塚みやげを買うことができます。
大きなシャンデリアが印象的な広いロビーは旧宝塚大劇場があった部分になります。
ここには数は少ないですがイスが設置されています。建物工事のために、外にあったテラス席は使用できなくなりました。
ロビーの先に劇場の改札口があります。劇場改札の左手には宝塚歌劇の歴史や公演衣装などの展示がある「宝塚歌劇の殿堂」に通じるエレベーター、そして公式ショップの「キャトルレーヴ」の入り口があります。
宝塚歌劇の殿堂
宝塚歌劇の殿堂は宝塚歌劇が100周年を迎えた2014年に誕生した施設です。
2階の「殿堂ゾーン」では、宝塚歌劇で活躍したスターたちや、小林一三をはじめとする功労者らが紹介されています。ゆかりの品も多く展示されていて、宝塚歌劇をつくってきた人々の存在がリアルに感じられるスポットです。
3階は「現在の宝塚歌劇ゾーン」となっていて、現在上演中の組にちなんだ衣装など(主に前回の大劇場公演のもの)が展示されています。
宝塚大劇場の営業日・営業時間
宝塚歌劇の公演期間中、1回公演日は10時から、2回公演日は9時半から開いています。休演日の月曜日は休館です。各施設の営業開始・終了時刻は公演回数や曜日によって変わりますので、下の公式サイトのフロアマップ内にあるリンクをご参照ください。