この記事では宝塚駅から宝来橋を渡り、宝塚南口に向かって武庫川の右岸を街歩きします。宝塚温泉の観光スポットや気になる風景を紹介していきます。
武庫川をくねって渡る宝来橋
宝塚駅と宝塚温泉を結んでいるのが宝来橋です。
現在の橋は1994年に架け替えられ、フランス人彫刻家のマルタ・パンによってデザインされています。S字を描いた珍しい形になったのは、阪急宝塚駅の高架化とともに行われた周辺の再開発で、橋の北詰の位置だけが変わったためでしょうか。
橋の上には花壇や石のベンチが設置されています。橋からは宝塚ホテルや宝塚大劇場、阪急今津線の鉄橋まで見渡すことができます。
タンサンのふるさと宝塚温泉
かつては温泉街を形成していた宝塚温泉。宝来橋を渡ると、温泉の元となる炭酸を含んだ水を利用した炭酸煎餅のお店「黄金家」があります。こちらの炭酸煎餅は明治30年(1897年)から手焼きで作られているといいます。
1897年といえばJRの宝塚駅が開業した年です。炭酸煎餅は鉄道とともに、宝塚の歴史を歩んできたんですね。
黄金家と道路を挟んだ所には、宝塚で誕生したウィルキンソンタンサン専用の自動販売機があります。
アサヒ飲料の公式ホームページによると、明治時代半ばにイギリス人のジョン・クリフォード・ウィルキンソンがこの地で炭酸鉱泉を発見し、その鉱泉水を瓶詰めにして売り出したのが始まりだとか。この飲料も1890年頃からの歴史を持ちます。
すでに宝塚に生産工場はありませんが、自販機と案内看板が発祥の地であることを示しています。
温泉街はマンション街に
現在の宝塚温泉の温泉施設としては、ホテル若水と温浴施設のナチュールスパ宝塚があります。
元は温泉街だった街路にも、今はマンションが立ち並んでいます。大都会の中を歩いている気分になりますが、マンションの間から見える宝塚ホテルに宝塚を感じます。
坂の街の変わった建物たち
少し山側に入ってみましょう。武庫山の斜面もマンションや戸建てが建ち並ぶ住宅地になっていて、坂道や階段がたくさんあります。
中には開発が進んでいないためか途切れている道や、途中で行き止まりの階段もあって、ミステリアスな雰囲気を漂わせています。
南口方面に道を歩いていくと、目が覚めるようなギザギザの白亜の建物に出会いました。まるで古代遺跡のように見えます。マンションなのですが、道路に対して斜めに造られているので、ブロックを組合わせたような外観になっています。部屋を真南に向けるための設計でしょうか?
マンションから先に進むと妙法寺というお寺があります。寺院建築と旧宝塚ホテル跡地に建設中のタワーマンションとの対比が令和的です。
こちらのお寺にも斬新な建物があります。宝塚は大劇場の影響からか、インパクトのある建物が多い印象です。
街中の古レール
最後は小ネタになりますが、上の妙法寺の近くにある古めかしいガードレールをご紹介します。
鉄道のレールをリサイクルしていました。柱のコンクリートがボロボロになっていて、かなり古そうです。阪急で使われていたレールなのでしょうか?モダンなデザインの建物が多いこの界隈ですが、歴史を感じさせる素朴なモノもあるんですね。
まとめ
この記事では、宝塚の武庫川右岸の街歩きを紹介してきました。歴史が感じられ、興味をそそるモノとも出会える街でした。山沿いに観光スポットや様々な建物が集まる武庫川右岸エリア。気候の季候の良いときに探検してみてください。