この記事では逆瀬川駅からほど近い伊和志津神社を紹介します。歴史ある式内大社であり、宝塚市出身の手塚治虫作品とのコラボレーションも楽しい、活気のある神社です。
所在地
伊和志津神社は逆瀬川駅から県道16号線「良元街道」を北東に5分ほど歩いた住宅街の中にあります。
神社の裏手にある鳥居から境内に入ります。宝塚市の指定保存樹林になっている林の中の参道を進み、もうひとつ鳥居をくぐると拝殿の前に出ます。
伊和志津神社の歴史
伊和志津神社は延喜式の神名帳にも記載された歴史のある神社です。
延喜式というのは、醍醐天皇の命によって編集された法典で、927年に完成しました。その内の巻9,巻10は特に神名帳と呼ばれ、神祇官や国司が管理する全国の官社が記録されています。延喜式神名帳に記載された神社は式内社と呼ばれます。
式内社には大社と小社というランク分けがあり、伊和志津神社は大社です。「宝塚随一の古社」というだけあって、歴史と格をもつ神社です。
現在は「伊和志津」と書きますが、明治時代までは「伊和志豆」と表記されていました。古い石碑にその名残が見られます。
表参道を歩いてみよう
駅から歩くと神社の西側から境内に入りますが、表参道は東側の住宅街から伸びています。
鳥居をくぐって表参道を進むと、ほどなく、2つ目の古めかしい鳥居があるのですが、その先は階段になっています。階段を登ってしばらく進むと、今度は階段を降って社殿の前に出ます。わざわざ途中で登り降りするとは、不思議な参道ですね。
実はこれは自然の地形ではなく、交通量の多い県道をまたぐためのものです。1996年に開通した県道の上を盛り土でおおい、道路がトンネルで通過するようにしています。このトンネルの上には木が植えられていて、環境にも配慮されています。
トンネルの東側・西側のどちらの歩道にも、途中に出入り口が設けられています。トンネルとつながる道にも、境内との境界に簡素な鳥居が設けられています。
参道の上からは境内とともに、宝塚大劇場近くのタワーマンションまで見渡すことができます。
社殿周辺
拝殿は1990年代に新築されました。本殿は市の指定文化財ですが、拝殿に隠れていて、その姿を見ることはできません。
宝塚市出身の漫画家手塚治虫作品のキャラクター、ブラック・ジャックを描いた医療成就絵馬が頒布されています。社務所の窓口横にはビッグサイズの絵馬も飾られています。ブラック・ジャックの絵馬の他にも、手塚プロとコラボレーションした御朱印帳もあるそうです。
市街地に所在する立地の良さもあるのでしょうか、日曜日にはひっきりなしに参拝者が訪れていました。駐車場も完備されています。
まとめ
この記事では伊和志津神社を紹介してきました。歴史ある式内大社であり、ちょっと変わった表参道や、宝塚市出身の手塚治虫作品とのコラボレーションなど、見どころの多い神社でした。交通アクセスも良好ですので、宝塚観光の際に参拝してみてはいかがでしょうか。